アラキドン酸とグルタミン酸の役割
アラキドン酸は体内の色々な細胞を組織する脂肪酸ですが、特に脳や肝臓、腎臓など人が生きていくために重要な臓器に多く存在していることがわかっています。
近年の研究によってアラキドン酸が脳の記憶などをつかさどる働きに非常に重要な働きをするということがわかってきており、ドコサヘキサエン酸やエイコタペンタエン酸などのω-3系必須不飽和脂肪酸と共に注目されています。
食品として摂取したリノール酸から体内で合成できるのですが、乳幼児や高齢者の場合、この力が弱いため、アラキドン酸そのものが含まれている食品を直接接取することが必要とされています。
乳幼児の場合、人工乳にこの成分が含まれているものが誕生していますし、母乳に多く含まれていることがわかっています。
高齢者の場合、積極的にアラキドン酸そのものが豊富な食品を摂取する事が望まれますが、このアラキドン酸の摂取による機能回復にグルタミン酸がかかわっています。
ある研究では高齢ラットにアラキドン酸を直接接取したことでNMDAレセプター機能が回復したと発表しています。
NMDAレセプターのNMDAというのは、グルタミン酸のことでNMDAレセプターとは、脳神経細胞の細胞膜上にある受容体を指します。
アラキドン酸は細胞膜を柔らかくし神経伝達物質を取りこみやすくしていますが、グルタミン酸は刺激を与え情報伝達を伝えるという役割を持っています。
アラキドン酸とグルタミン酸が脳細胞の神経伝達において重要な役割を果たし、記憶の形成について深い関わりがあるとして今も研究が進められているのです。