痛覚低下,記憶障害,幻覚

アラキドン酸とPGI2

アラキドン酸カスケードとはアラキドン酸の代謝経路で、アラキドン酸をスタートとして滝が流れるように進行していく代謝の事を指します。
例えば怪我などをして組織が損傷すると細胞膜の中にあるホスホリパーゼという酵素が活性化し、その作用を受けて細胞膜のリン脂質内にアラキドン酸が遊離されます。

遊離したアラキドン酸にシクロオキシゲナーゼ「COX」という酵素が作用しPGG2ができ、次にペルオキシダーゼという酵素の働きによってPGH2が生合成されます。
ここにPGI2という合成酵素が作用するとPGE2、トロンボキサン合成酵素によってTXA2が生合成されます。
また遊離したアラキドン酸にリポキシゲナーゼという酵素が作用するとロイコトリエン「LT」の生合成からLTB4、LTC4などが生合成されます。
こうした一連の流れをアラキドン酸カスケードというのです。

このうち、PGI2「プロスタサイクリン」は血管内皮から産生され、血小板機能抑制作用、さらには血管拡張作用を持っています。
つまり抗血栓症状に関して利用できるという事です。
PGI2そのものをそのまま抗血栓効果のあるお薬にすることはできませんが、PGI誘導体にすることで半減期が長くなるため、お薬として利用されています。
特に閉塞性動脈硬化症としてのお薬はこの疾患をお持ちの方に多く利用されています。